JH1LHVの雑記帳

和文電信好きなアマチュア無線家の雑記帳

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最初の短点が離れ過ぎの和文モールス

例えばコールサインの先頭の文字 J を、

・---(ト ツー ツー ツー)」とは送信せず、
・ ---(トン ツー ツー ツー)」と、先頭の短点だけが離れてしまう。

そんな、「短点離れ」な ”癖” を持つ人がいますが、今日はその辺の話です。

このような、短点離れのモールスはバグキー愛好者特有のものです。
短点が自動で、長点が手動なバクキーは、
その構造からも、どうしても「短点と長点が離れた、ぎこちない符号」になりがちです。

このようなセミオートな特長があるバグキーで、
正確な1:3の符号で、リズミカルに送信することは本当に難しい。
まあ、この操作の難しさが、バグキーの魅力でもあるのですが。。。

電鍵や複式で、この「短点離れ符号」(この言葉、適当に作りました)を送信する人はまずいないので、やっぱりバグキーは特殊なキカイなのでしょう。

バグキーの、あの「短点離れ符号」。
短点から長点、長点から短点とパドルを操作するたびに、短点/長点が激しく離れた符号を聞かされたら、
たまったものではありません。
 

「短点離れ符号」は「くっつき符号(納豆符号)」と並ぶ、難解モールス(?)の分類に入る、交信相手泣かせの符号です。


それでは「短点離れ符号」の実験です。
今回も少し極端な作りですが、実際に聞き比べてください。

文例はこちら。

 「会場には新宿経由で向かいます」

 (カイジョウニハシンジュクケイユデムカイマス)
 

  • まずは標準(20wpm 比率1:3)から

  

 

  • 符号の最初が短点で始まる文字を「短点離れ符号」に変更です。
    短点長点の比率は1:5に設定
    (バグキーでは長点が長めになることが多いため)

    (カ、イ、ン、デ が対象)

  

 

  • さらに極端にしてみます。
    短点から長点、長点から短点に変わる全てを対象にしました。
    そして、比率は1:5です。

  

 

どうでしょう。
少し極端ですが、「短点離れ符号」の雰囲気だけは伝わったのではないでしょうか。

それでは最後に、
この「短点離れ符号」のまま、文字間だけを大きく空けてみます。
一文字づつ丁寧に送信する感じですね。
 

  • 最初のサンプルはこんな感じに

  

 

  • 2番目のサンプルはこんな感じに

  

 

どうです。聞きやすくないですか。
短点離れの間より十分な長さの文字間さえあれば聞きやすくなるので、
確実に了解度も向上し、通信も成立します。
 

「バグキーの直らない癖も、文字間を空けて送信すれば大丈夫!」


意識しても、どうしても短点が離れてしまうといった、もう直らない ”癖” になっているという、そんなバグキー愛好者でも、文字と文字の間を十分に空けて丁寧に送信することで、交信相手と気持よく会話ができる。。。

・・・そんな話でした。